FF7小説「Dear Destiny」感想

FF7本編が始まる前のエアリスとティファの小説第二弾「Dear Destiny」読み終わりました。
続きを読むからはその感想です。
ネタバレ含むので読了していない方はご注意ください。

まずはティファ編。
ティファ編は原作が始まる数週間前ぐらいの頃のお話。
バレットやジェシーたちと共に細々とアバランチ活動をしながらセブンスヘブンを切り盛りしているという原作からあった設定をもっと深堀りしてくれていた内容でした。
感想を簡単に言うなら、ティファ苦労しすぎでしょ…の一言に尽きる。
前回の小説でもニブルヘイム事件後セフィロスに斬られた傷の治療代で借金を背負い、右も左もわからない土地で借金返済のためにコツコツ働く日々。
その借金も騙されて必要代金以上の支払い。
けれどティファ自身の努力でそれらも完済。
そして自分の居場所となるセブンスヘブンとバレットたちとの出会いがあって、店も軌道に乗って資金的にも余裕が出てきたと思ったらまたトラブルに巻き込まれて・・・

借金があっても無くてもお金のことばかり考えている自分に気づいて、声が出た。
寝返りをうつと何もない部屋の様子が目に入る。
ベッドサイドの小さなテーブルの上に電気スタンド。机と椅子。キャビネット。他に家具らしい家具はない。キャビネットの中は質素な、仕事優先で選んだ服が何組か入っているだけだ。いつまでも仮住まいのようなティファの暮らしぶりを、大家のマーレは気にしている。稼いでいるんだから、お金をスラムに回しなさい。それが恩返しだとマーレはいつも言う。その通りだ。落ち着いたら、家具を増やして、服を買って、どこかに出かけよう。
(でも、落ち着いたらって、なに? いつ? 何が終わったら?)

引用元:野島一成「Dear Destiny」

これを読んでリメイクで見た七番街スラムのティファの部屋を思い出した。
ほんと必要最小限のものしかない部屋。
とても20代の女の子の部屋とは思えないほどで初見時はびっくりしたことを覚えてる。
前回の小説を読んだ時、ティファのあの何もない部屋は単に贅沢を控えて堅実な生活を送っているが故のあの部屋なんだと思っていたけど、今回の小説を読んでそうではないんだと思った。
ティファは自分だけが幸せになってはいけない、楽しんではいけないと必要以上な自戒をしている。
前の小説でもそんなこと書かれていたような気がするけど今回は特にそういう描写が多い。
自分だけが生き残ってるという罪悪感?
ティファの性格なんだろうけどあまりにも自戒しすぎてて心配になるレベル。
でも人間って怒りや悲しみの感情は長く続かないようにできている。
そうじゃないと生きていけないから。
だからセブンスヘブンで忙しなく働く日々のなかで大変だけど楽しいと思える出来事もたくさんあるわけで。
なのにティファはそう思うたび、それが悪いことのように思えてしまう。
自分の部屋をお気に入りで飾ったりしないのも、お金がないからできないんじゃなくて浮かれてしまう自分を戒めるためにそうしてるんだなって。
だけど本当はいつまでもそうしていることが正しいことなのかということにも薄々気づいているんだよね。
結局、どこでその気持ちと折り合いをつけていけばいいのかわからないんだと思う。
だから、リメイクでクラウドに再会のお祝いをしようと言ったその「楽しい計画」はティファなりの第一歩だったのかなって。

あとはアバランチ関係もかなりフォローが入ったかなと思った。
星の命を無駄に消費する神羅は許せないというのは原作と同じ。
でもだからといって関係のない人々まで巻き込むつもりはないというのがちゃんと根底にあるということを小説で深堀りされていた。
もちろんそれは原作でもそうなんだけど、でもそこはやはり昔のゲーム。
容量的な問題もあっただろうし、ポリゴンで葛藤などの表現にも限界あるし、どうしても描写不足になるのは否めない。
だから原作だとアバランチはノリノリでテロ活動をしているように見えてしまっている部分はあったのかなって。
私はそんなふうに見たことないけど一部の人にはそう映って見えるのかなって話。
で、当然だけどそうじゃない。
バレットを始め、みんなそれぞれに悩んで葛藤していた。
そしてティファは、アバランチ活動をすることはセフィロスが自分の故郷にしたことと同じことをしているのではないかという不安に陥り、また活動を続けることで今いる仲間たちが明日はいなくなってるかもしれないという恐怖に怯えている。
そしてそう思っているのはジェシーも同じ。
でもジェシーはそれでももっと前向き。だからリメイクでも描写があったけどふたりはその思想の違いからすれ違ってたりする。
小説ではより生々しく衝突があって、どちらの気持ちもわかるから読んでて辛かった。


私はリメイク、リバース、小説でバレットやアバランチメンバーがより好きになった。
深堀りってほんと大事だなと思う。
まあゲームの中に小説であったこと全部を盛り込むのは無理があるのわかるけど、でもあんなにたくさんのミニゲームを詰め込むぐらいならその量を減らしてエピソードを入れてくれたほうが余程嬉しかったとは言わないほうがいいかなw
そうそう、ティファがアバランチの活動として悩むなかで最後、「大切じゃないものなんてない」と言ったのがエモかった(⑅˃◡˂⑅)
ACでクラウドがセフィロスに向かって言ったのと同じセリフ。
意図して言わせたんだと思うんだけど、でもこのふたりは考え方とか似てるからそれはそれで違和感なく読めました。
あとクラウド関連で言えば、ティファはクラウドのこと忘れてなんてないし、なんなら恋愛関連のことになるとすぐにクラウドを思い浮かべるのとか可愛すぎた(⑅˃◡˂⑅)
なかでも・・・

七年前、クラウドが村を出てから、本人不在のままティファは恋をした。クラウドとの思い出より、クラウドのことを思った夜の記憶の方が強い。
(これって、変だよね。何も始まらなかったんだし)
(でも、会って話したいな)
(同郷の友人としてでいい。会って、懐かしい話をしたい)
(給水塔でした約束のこと、クラウドは覚えてるかな)
クラウドが英雄になったら、ティファのピンチに駆けつける――そんな約束だ。
(クラウド、私、ピンチだよ……)
しかし、今回のピンチはクラウドには対応できないだろう。記憶の中のクラウドは十三歳のままだ。途方にくれる様子を思い浮かべて、ティファはクスクスと笑った。
(笑ってごめん。うん、自分で解決してみせるね。見ててね)

引用元:野島一成「Dear Destiny」

可愛すぎるよティファ(⸝⸝>⩊<⸝⸝)
で、私も十三歳のクラウドが途方にくれる顔を想像して笑った。
めっちゃ困ってそうなクラウドの顔。きっとかわいい(๑>ᴗ<๑)

ここからはエアリス編。
エアリス編はザックスがニブルヘイムに赴いて音信不通になった期間の様子。
回想なども入っているから年齢的には16歳から18歳ぐらいの出来事がお話になっていました。
エアリス編はもうただただ切ない!
上のスクショはエバクラのズンパスホーム背景だけど、小説読んでこのホーム背景のふたりを見ちゃうと涙が出てくる。
エアリスがしたかったこと、ザックスがしたかったことが詰め込まれてるこの画がただただ切ない。

原作やCCとかのエアリスを見てるとザックスのこと好きなのはもちろんわかるんだけど、私はエアリスの性格的にもっとあっさりした好きなのかなと思ってた。
でも小説のエアリスはザックスをめちゃくちゃ好きだったのがよくわかる。
そしてその想い方がこれまた可愛いんだよ(๑>ᴗ<๑)
で、ザックスのほうも原作ではいろんな女の子と仲良くする軟派な男風(でも本命はエアリス)という感じに描かれていた。
そんなザックスが小説ではちょっとシャイな感じの描写があってそれがめちゃくちゃエモかった(⸝⸝>⩊<⸝⸝)
エアリスは世界にひとりしかいない特別な存在と言うザックスにエアリスはセトラとしての意味でそう言ってると思ったけど、実際は・・・

ザックスが話の途中で黙り込んだ。何かを言おうとしては、また黙り込む。視線が泳ぐ。いつものザックスらしくない。そして、エアリスは気がついた。彼の落ち着かない視線。口元でつかえている言葉。それはわたしへの思いではないのか。世界にたったひとり。特別な存在。それは神羅カンパニーにとってではない。世界にとってではない。ザックスにとっての話だ。わかった瞬間、うれしさと恥ずかしさが同時に押し寄せ、思わず目を逸らした。そして、ふたりは何も話さずに残りの道のりを歩いた。その沈黙は心地よくて、胸の奥では小さな鐘が鳴り続けていた。

引用元:野島一成「Dear Destiny」

なんなのこのふたり!可愛すぎる(⸝⸝>⩊<⸝⸝)
普段は明るく冗談っぽくするザックスがこんなふうに照れたりするのめちゃくちゃ想像できるし、エアリスも照れておとなしくなるのが普段とまた違ってかわいい。
そんなふたりのその後の運命を思うと…(T_T)
あ、そうそう、運命といえばエルミナが作中で良いこと言ってて・・・

「運命だと認めてしまうと、他のことも運命だってことになりそうでね。クレイを失ったことは運命だって言うのかい? あんたの、母さんとの別れは運命なのかい? そんなの、悲しいだろ。だから私は、仮にあるんだとしても、運命なんて認めたくないんだよ。良くも悪くも偶然。最初から決まっていることなんて何もない。騙されたと思ってそう信じてごらん? 毎日が愛おしくなるから」

引用元:野島一成「Dear Destiny」

エルミナとエアリスの関係、改めていいなって思った。
ただエアリスのことを過保護にしすぎてる面もあるかなと。
お料理ぐらいは教えてあげてたほうが良かったし、失敗してもやらせてあげたほうが良かったかもw
まあでも、自分の家の庭と教会、養護院と毎日同じことを繰り返す娘を心配して仕事を勧める面もあるから過保護とは違うか。

タークスとエアリスの関係も今回は結構深堀りされてて。
私が思っていた以上にエアリスはタークスから監視されていた。
エアリスの行動すべて把握しているそれに怖くなるくらいに。
また、原作でのエアリスの武器はロッド使いで主に魔法主体の戦い方だけど、それを教えたのがツォンだったという流れがとても自然で納得がいった。

花を売ったり、魔晄中毒者との接触もあったりとエアリスもいろいろあったけど、でもそのほとんどの中心にいるのがザックス。
CCでエアリスが音信不通のザックス宛に手紙を89通も書いたというエピソード。
今回の小説でもその手紙を読むことができたんだけど、もうその手紙が泣ける。
エアリスらしい明るく楽しい手紙、でも会いたい寂しいという気持ちも隠さずエアリスらしく素直に書いてる。
で、そうした今ザックスは神羅屋敷で魔晄漬けにされているのだと思うと涙が出てくるし、この手紙を読んだ時のザックスを思うとこれまた涙が出てくる。


ザックスと一緒に作った花売りワゴン。
壊れてしまったそれをエアリスはザックスに直してもらおうと、一緒に直そうと思ってそのままにしていた。
でもそれを普通に忘れて、ワゴンを直そうと思ってしまったことに気づいたときのショック。
時間が経つにつれて音信不通の彼の存在が薄れてしまうのはしょうがないこと。
でもエアリスはザックスのことを忘れてしまう感覚に不安や罪悪感を覚えてしまう。
もうほんとエアリスが可哀想すぎてね。
で、この小説を読むと、リバースのエアリスは失敗だったんじゃないかなと思ってしまうわけですよ。
ザックスそっくりのことをするクラウドをエアリスが気にするのはいい。好きになってしまうのもいい。
これは原作からもそうだったから。
でもリバースはなんていうか、クラウドへのアピールが強すぎたよね。
原作のように軽いノリで冗談とも本気ともつかない感じでクラウドに好意を示すのはいいけど、リバースのはちょっと本気すぎるかなと。
ザックスのことを考えるとちょっと…と思ってしまうし、最終的には告白しておいてどっちの好きだろう?はもはやギャグでしかなかったし^^;
最後のクラウドとした夢デートがザックスを忘れられていないエアリスを演出しているのだとしたら、尚更あの教会での告白はいらなかったなとつくづく思います。

そして最後クラウドの話は、リバースの「ワールドプレビュー」に載っていた「英雄へ続く二千ギル」の再掲でした。
新しいクラウド視点の話が読めると期待していたので、これは少し残念だったかな。
まあそれでも久しぶりに読んで楽しんだけど。
十三歳クラウドの負けず嫌いさとかプライドの高さとか、カッコつけたがりとか。
そしてまんまとお金を騙し取られる幼い浅はかさとか。
そういうのすべてをひっくるめてクラウドが愛おしい。
で、やっぱり・・・

特別な男になる。
それはソルジャーになること。
それは英雄になること。
そしてティファの特別な存在になること。

引用元:野島一成「Dear Destiny」

何度読んでもいい!!(⸝⸝>⩊<⸝⸝)
クラウドの一途な想い、そしてティファも一途にクラウドだけを想っていた。
大好きなカップルです、本当に!(⑅˃◡˂⑅)

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